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2007-06-03 (Sun)

陰日向に咲く



劇団ひとりの「陰日向に咲く」

読みました。
図書館の予約が30人待ちで、大分待たされましたがようやく。
ページ数少ないわけじゃないんだけど読みやすい内容だったので一日で読み終わりました。

評判に聞いてた通り、面白い!
読む前は正直どんなもんかな、と思ってたけどかなり面白かった~。

賞レースに絡んでもおかしくない、と言われただけあります。
劇団ひとりは持ちネタの内容がそのまま小説のネタになりそうだもんね。

5本のショートストーリーが1冊の本にまとめられてるんだけど、
それぞれの話の主人公や登場人物が他の話にも絡んでくる点が面白い。

あの人物がこの物語のこの人だったんだ・・!
と気づかされる仕掛けが随所に盛り込まれてて、作品構成が巧い!あっと驚くシーンあり、泣けるシーンあり。
小ワザが沢山利いてる。

5本の短編はどれも面白くて、私が特に気に入ったのは「拝啓、僕のアイドル様」かな~。
売れないアイドル、ミャーコを心から愛し、応援する「僕」。

ミャーコがマルチタレントになれるよう、時事ネタをファンレターに書いて送ったり
(しかもミャーコが分かりやすいようにわざと平易な言葉に書き換えてあげる)、
健康番組に出演した、全身タイツ姿でチョイ役のミャーコを応援する為に
番組のHPに100本以上もメッセージを送ったり(もちろんメッセージの内容は手を変え品を変える)。

握手会に4人しかファンが来なくて、悲しむミャーコを励ますために
「電車が止まってファンが来られなかった」と携帯電話で演じてみたり。

死んでも良いほど愛してるけど、それを本人に言えるようなタマじゃないから
いつも地味~に応援するだけ。その姿がけなげで可愛いの。

叶わぬ恋を自覚してるからこそ、彼の愛は無償の愛。

なんならミャーコの母より自分の愛は強いかもしれない、いや強い!と自負する。
作中の「ミャーコなら毎日産める」の一文には笑いました。

私も一時期イエローモンキーのギタリストが好きだったから、なんか身につまされるっていうか
(いやこんなに深く愛してなかったけど)でもすごく共感出来る部分があったんだよね。

あとギャンブルで借金苦に陥り、オレオレ詐欺を働こうとする男が主人公の「Overrun」。
この話は最後のシーンで泣きました。ネタばれになるからあまり内容は書かない方が良いのかな。
これから読もうとしてる人は以下は飛ばしてください。


子供と死に別れた、母親の手紙があるんだけどそれ読んで泣いた。
自分が母親になったせいもあり、子供の事とか書かれると感情移入しちゃって涙が出る。
あ~、こういうの弱いんだよねぇ。

ちなみにこの本は映画化決定が決まって、オレオレ詐欺を働こうとする男の役はV6の岡田君だって。
彼が主演。
うーむ、岡田君は嫌いじゃないけどこの役にはあまりイメージ合わないなあ・・・。
ギャンブル狂の駅員さん。なんか違う気がしない?

一日で一気に読み終わっちゃってなんだか勿体無いので、返却までにもう一回読もうと思います。
すごく面白かったから、買っても良いかな、と思ったよ。
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