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2007-10-19 (Fri)

ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション [DVD]


ハンニバル・ライジング 下巻 (新潮文庫)



読みました。そして観ました。

暗い・辛い・エグい。

第二次大戦下のリトアニアで、少年ハンニバル・レクターは家族を失います。
それらの描写は小説の冒頭に出てきて、全体からすると4分の1、5分の1?程度のページ数しか
無いんだけど、あまりにも強烈、鮮烈なインパクトを残すもんだからもうそれだけで読みごたえ充分。

レクター博士のトラウマはこれだったのね、と納得してそこで本をとじてもお釣りがくる感じ。
そこから先はハンニバルの復讐劇なんだけど、壮大なる蛇足って気さえしました。

とにかく家族を失う経緯(とくに妹ミーシャね)が凄惨過ぎて、それしか心に残りません。

ミーシャの死と同時に少年ハンニバルも死に、悪魔に生まれ変わる。

青年になったハンニバルは一人また一人とミーシャの仇を殺していって、
ハニバル・ザ・カニバルのルーツを完成させていくんだけど、
ひとつ解せないのはどうしてハンニバルの殺傷能力があんなに高いのかということ。

軍隊に所属していたわけでも無いのに人を殺すのが上手すぎる。

知識があるだけじゃ駄目で、体力も運動能力も技能(?)も高くないと駄目だと思うんだけど
そういうもの全て備えてるんだよねぇ。

映画の方はというと、ハンニバルの叔父の妻、紫夫人を
コン・リーが演じているのがチョット・・。

あの役はやっぱり日本人女優が演じないと駄目。

それに紫夫人の住まいが日本風というよりはやはり中華風なアジアンテイストだったのがガッカリ。
これがねぇ、原作はびっくりするぐらい日本文化を研究して書かれているんですよ。

欧米人が誤解する、勘違いニッポンじゃないの。

今回は原作者が映画の脚本も書いてるから、そこら辺もしっかり
作りこんでるのかと期待してたけどやっぱり駄目だったー。

あとハンニバル役のギャスパー・ウリエル、日本刀で肉屋の男を斬り殺す場面があるんだけど、
殺陣が全然なってない。ちゃんとした指導無かったのかな~、と思っちゃうくらいなってない。

斬り合いじゃなくて一方的に斬り付けるだけなんだから
もうちょっと上手くやれそうなもんだけどね、かえって難しいのかな。

そのシーン以前に、紫夫人に剣道を習っている場面があったから、
多分剣道を習った上でのあの構えって事なんだろうけど、そもそも剣道と剣術って違うんじゃないか。
そんな事無いのか。

※ちなみに新撰組の天然理心流は竹刀剣術には弱いけど、刀を使った実践には向いてるらしい。
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2007-06-03 (Sun)

陰日向に咲く



劇団ひとりの「陰日向に咲く」

読みました。
図書館の予約が30人待ちで、大分待たされましたがようやく。
ページ数少ないわけじゃないんだけど読みやすい内容だったので一日で読み終わりました。

評判に聞いてた通り、面白い!
読む前は正直どんなもんかな、と思ってたけどかなり面白かった~。

賞レースに絡んでもおかしくない、と言われただけあります。
劇団ひとりは持ちネタの内容がそのまま小説のネタになりそうだもんね。

5本のショートストーリーが1冊の本にまとめられてるんだけど、
それぞれの話の主人公や登場人物が他の話にも絡んでくる点が面白い。

あの人物がこの物語のこの人だったんだ・・!
と気づかされる仕掛けが随所に盛り込まれてて、作品構成が巧い!あっと驚くシーンあり、泣けるシーンあり。
小ワザが沢山利いてる。

5本の短編はどれも面白くて、私が特に気に入ったのは「拝啓、僕のアイドル様」かな~。
売れないアイドル、ミャーコを心から愛し、応援する「僕」。

ミャーコがマルチタレントになれるよう、時事ネタをファンレターに書いて送ったり
(しかもミャーコが分かりやすいようにわざと平易な言葉に書き換えてあげる)、
健康番組に出演した、全身タイツ姿でチョイ役のミャーコを応援する為に
番組のHPに100本以上もメッセージを送ったり(もちろんメッセージの内容は手を変え品を変える)。

握手会に4人しかファンが来なくて、悲しむミャーコを励ますために
「電車が止まってファンが来られなかった」と携帯電話で演じてみたり。

死んでも良いほど愛してるけど、それを本人に言えるようなタマじゃないから
いつも地味~に応援するだけ。その姿がけなげで可愛いの。

叶わぬ恋を自覚してるからこそ、彼の愛は無償の愛。

なんならミャーコの母より自分の愛は強いかもしれない、いや強い!と自負する。
作中の「ミャーコなら毎日産める」の一文には笑いました。

私も一時期イエローモンキーのギタリストが好きだったから、なんか身につまされるっていうか
(いやこんなに深く愛してなかったけど)でもすごく共感出来る部分があったんだよね。

あとギャンブルで借金苦に陥り、オレオレ詐欺を働こうとする男が主人公の「Overrun」。
この話は最後のシーンで泣きました。ネタばれになるからあまり内容は書かない方が良いのかな。
これから読もうとしてる人は以下は飛ばしてください。


子供と死に別れた、母親の手紙があるんだけどそれ読んで泣いた。
自分が母親になったせいもあり、子供の事とか書かれると感情移入しちゃって涙が出る。
あ~、こういうの弱いんだよねぇ。

ちなみにこの本は映画化決定が決まって、オレオレ詐欺を働こうとする男の役はV6の岡田君だって。
彼が主演。
うーむ、岡田君は嫌いじゃないけどこの役にはあまりイメージ合わないなあ・・・。
ギャンブル狂の駅員さん。なんか違う気がしない?

一日で一気に読み終わっちゃってなんだか勿体無いので、返却までにもう一回読もうと思います。
すごく面白かったから、買っても良いかな、と思ったよ。
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2007-03-30 (Fri)

眠れぬ真珠



「池袋ウエストゲートパーク」をとっかかりに、最近石田衣良の本を読んでます。

「眠れぬ真珠」は昨日読み終わったばかり。

更年期障害に苦しむ45歳の版画家 咲世子が、
17歳年下の映像作家 素樹と知り合い恋に落ちるお話。

石田衣良の作品は登場人物が魅力的で、この作品もそう。

恋しい気持ちを隠して青年の背中を押してやる咲世子が素敵です。
年の差が有りすぎて、自分たちに未来は無いって分かってるの。切ない。
でも素敵な話です。
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